時効について

2017/09/18

賃金の支払請求権の時効に関しての質問(平成24.02.07)でベストアンサー していただきましたが、果たして良かったのでしょうか?   

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1480964984

 

労働基準法第115条(時効)
この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する。

このように、賃金の請求権ならば2年で時効消滅してしまいます。


?時効の中断が欠落しているのではないでしょうか?


 〉そういう事もあると思い辞めてからもなんども嫁に話ししたりFAXを送ったりしてました


裁判上の請求をするとか、承認でもなければ、時効は中断しませんね。


もうひとつ、やはり時効の質問(平成24.12.13)でベストアンサーしていただきました。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1098650135

 

受売りです。

労働者の使用者に対する賃金請求権(退職金請求権を除く)の消滅時効期間は2年です(労働基準法115条)が、使用者から労働者に対する過払い部分についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は原則として10年となる(民法第167条(債権等の消滅時効)第1項)と考えられます。 
ただし、本人が過払いの事実を知っていた(悪意)場合の損害賠償請求権の消滅時効期間は、場合により3年または20年になります(民法第724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限))。 

 

時効に係る質問はそんなに多くはありませんが、“間口”の広い問題です。

 

参考URLを載せさせていただきます。

 

先ず、私がいつも参考にしている独立行政法人労働政策研究・研修機構のデータベース(労働政策研究支援情報)から

Q5 労働紛争において時効の問題がどのように扱われるかについて概要を教えて下さい。

http://www.jil.go.jp/rodoqa/12_funsou/12-Q05.html

 

次に、実務家の行政事務所さんのを載せさせていただきます。

http://www.yaruzo-saiban.com/jikou.html

 

引用

時効の援用
なお、時効というのは、時効の利益を受ける者(債務者)が、時効であることを主張する(時効を援用する)ことによって成立するものです。ですから、時効期間が過ぎたからといって債権が消滅するわけではありません。 時効期間が過ぎた後でも債務者に請求することはできますし、裁判や支払督促を行うこともできます。ただし、その際に債務者が時効を援用すれば、債権は消滅します。

債務者が時効の援用をせず、任意に支払うことは構いませんし、 時効期間が経過後に債務者が債務を承認した場合は、時効の完成を知らなかったとしても、もはや時効の援用はできなくなります。

 

参考条文 とりあえず民法の消滅時効に関して

 

民法第1編(総則)第7章(時効)

第3節 消滅時効

第166条(消滅時効の進行等)

第1項 

消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。

第2項

前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。但し、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。 第167条(債権等の消滅時効) 第1項

債権は、10年間行使しないときは、消滅する。

第2項 

債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときは、消滅する。

第168条(定期金債権の消滅時効)

第1項目

定期金の債権は、第一回の弁済期から20年間行使しないときは、消滅する。最後の弁済期から10年間行使しないときも、同様とする。

第2項

定期金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。

第169条(定期給付債権の短期消滅時効)

年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、5年間行使しないときは、消滅する。

第170条(3年の短期消滅時効)

次に掲げる債権は、3年間行使しないときは、消滅する。但し、第二号に掲げる債権の時効は、同号の工事が終了した時から起算する。

 医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債権  工事の設計、施工又は監理を業とする者の工事に関する債権

第171条

弁護士又は弁護士法人は事件が終了した時から、公証人はその職務を執行した時から3年を経過したときは、その職務に関して受け取った書類について、その責任を免れる。

第172条(2年の短期消滅時効)

第1項

弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時から2年間行使しないときは、消滅する。第2項 

前項の規定にかかわらず、同項の事件中の各事項が終了した時から5年を経過したときは、同項の期間内であっても、その事項に関する債権は、消滅する。

第173条

次に掲げる債権は、2年間行使しないときは、消滅する。

 生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権  自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権  学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿の代価について有する債権

第174条(1年の短期消滅時効)

次に掲げる債権は、1年間行使しないときは、消滅する。

一  月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権 二  自己の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬又はその供給した物の代価に係る債権 三  運送賃に係る債権 四  旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権 五  動産の損料に係る債権

第174条の2(判決で確定した権利の消滅時効)

第1項

確定判決によって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。

第2項

前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

 

第724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)

不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。


解雇予告手当の時効について(平成26.10.18追記)


通達(昭和27.05.27基収第169号)では、「解雇予告手当は、解雇の意思表示に際して支払わなければその効力を生じないものと解されているので、一般には解雇予告手当については時効の問題は生じない」とされています。 

 

要するに「即時解雇の言い渡しと同時に解雇予告手当が支払われなければ、その即時解雇の効力は生じない」と言っている訳です。行政の解釈では仮に「即時解雇を言い渡しても使用者が即時解雇に固執しなければ30日経つと解雇は有効になる」と言う解雇相対的無効説に拠って立っています。但し、この30日間は休業手当支払の義務が生じます。ですから、時効の問題は休業手当支払義務が時効で消滅する2年間と言う問題に“転化”されてしまうと言うことのようです。即時解雇され30日経過してしまうと解雇予告手当支払を請求する余地が無くなることになるようです。なお、刑法の公訴時効の観点から言えば3年で時効となると言う考えがあるようですが、公訴時効を考えるのはあまり意義のないことだと私は思います。


大事なことなので付け加えておきますが、現実問題では、即時解雇された労働者が解雇予告手当の支払を請求すると行政(労働基準監督署)は、申告案件において、(使用者が即時解雇したことを認めれば)解雇予告手当の支払を指導しています。これで殆どの問題が解決しています。


公訴時効について(修正)


上記の「大事な現実問題」として、実務的には労働基準監督署が即時解雇された労働者から申告を受けて、解雇予告手当を支払うよう指導しているのは、労基法第20条(解雇の予告)違反の刑事罰(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)を科す権限を背景に指導をしているとのことです。この「権限行使の時効即ち公訴時効」は3年ですので、逆説的に言えば「即時解雇されてから3年以内ならば労働基準監督署が解雇予告手当の支払を指導できることになるようです」。但し、実際には即時解雇されたことが立証出来ないと解雇予告手当を支払うよう指導出来ません。


私見ですが、「(一般には)解雇予告手当には、時効の問題は生じない」と言うものの、やはり散々放置しておいては救済を求めても信用力は落ちて行きます。そもそも解雇予告手当は即時解雇された1か月(30日)を保障するものであり、長期間経過してから保障を求めても保障する意義は無くなるものと解釈出来るのではないでしょうか。